金華山長良川自然学校

−金華山の5月は花の月−

 五月晴れの金華山といきたいところでしたが、あいにくの雨。それでもお母さんと子ども、おじいちゃんと子ども、そして子どもたちと何人か集まってくれました。山登りはあきらめ山すその草原に「雑草」(「雑草なんてありません。すべての草には名前があります。」―昭和天皇のお言葉)を採りに行きました。環境学習センターに戻って花のスケッチをしました。「うまくなくてもいい。よくみて特徴をとらえて書く。」スケッチは「よく観る。じっくり観る」が基本の自然観察にはとても有効です。今回は男の子が多く、花に関心をもってくれるかどうか心配でしたが…。やらせてみると、みんな真剣に取り組んでくれてとってもよく描けました。落ち着きがなくいつも動き回っているような子が集中して素晴らしい絵を描いているのは驚き、また感心しました。小学校の低学年が多いので、観察は花の色と形、葉っぱの形とつき方ぐらいの基本的な観察でいいと思っていましたが、いろいろな発見をしてくれました。ルーペで覗いて黄色い「花(ウマノアシガタ)が光っている」(確かに福寿草のように光沢をもって輝いていて指導者の私にとっても発見でした)、レンゲソウのような赤紫の小さな花(ジロボウエンゴサク?)のそばに「豆がついている」(ケシ科なのに豆のような実ができるの?)、黄色い花の茎から怪しい黄色の汁が出てきてびっくり(これが南方熊楠のとりあげているあのクサノオウかとはじめて見た私も感動)。とにかく子どもは目ざといので大人の私たちも教えられます。
 きれいな花が少ない金華山では5月にピンクのツツジ(モチツツジ)が山を彩ります。でも金華山を代表する花はシイ(ツブラジイ)の花。常緑広葉樹で年中地味な色の中で、唯一5月はシイの花で覆われ山全体が輝きます。まさに「金華」の山です。金華山は雨で煙っていましたが、みんなでドライブウエイをドライブし、展望台から黄金色のシイの花を見てきました。

野の花のスケッチ すばらしい集中力でしっかり描いていきます 雨の中の散策
モチツツジが美しい
雨に煙る水道山と市街地 のちら方面はツブラシイの花が少ない 新緑の緑の中でも黄金色の花をつけたツブラジイは目立ちます 雨の日はカタツムリの出番

2006.5.13