初日、久々野から前方に純白に輝く乗鞍岳が見えました。空は雲ひとつない快晴で暮れから始まる野麦キャンプの成功の前祝のように見えました。そして、その通りになりました。
今回の『春の野麦こども自然体験村』は天候、雪、人すべてに恵まれ素晴らしく中身の濃い楽しさいっぱいの雪のキャンプになりました。問題があるとすれば、いつもは6〜7日の期間が5日になってしまって欲張ってネイチャースキーの活動を詰め込みすぎたところぐらいでしょうか。それでも全員前向き意欲的で、ハードな内容にもかかわらず不平不満、「泣き」が聞かれなかったのは特筆するべきことです。
[天候・雪] 初日、3日目とも快晴微風、新雪の絶好のネイチャー日和。2日目は一日中雪降りでしたが、元気な子供たちには楽しい雪の日になりました。3日目午後やっと気温も上がり、イグルー(雪のブロックの家)作りには最適の雪質になりました(冷えすぎていると雪が固まらない)。4日目、学舎前のグランドの雪も解けずに残り、イグルーに見守られながら<雪上オリンピック>の熱戦が繰り広げられました。そして最終日、雪遊びのプログラムをすべて終えるのを待っていたかのように雨が降りだしました。野麦の神様(自然)ありがとう!
[人] 参加者、キャンプリーダー、指導者、すべて素晴らしい人たちがそろいました。
とくに、エヌエスネットのキャンプ初参加の中2女子。初めての歩くスキーに苦戦しながら、めげずにに挑戦し、最後はネイチャースキーを楽しむ余裕も出てきました。ネバーギブアップの姿勢が素晴らしい。そして、昨年夏の野麦キャンプに初めて参加した小3の2人。初めてのネイチャースキーにもかかわらず、こけすぎてお尻が痛いと言いながら絵顔で難関に挑戦しました。ハイライトは<屋根スキー>(キャンプ場管理棟の雪の積もった屋根から滑り降りる!よい子はまねをしてはいけません!)。苦労の末屋根の急傾斜の上に立ちました!滑った!こけた!ナイスチャレンジでした。の参加者たちは自分たちで雪遊びの楽しみを見つけながら、慣れない参加者をサポートしてくれました。キャンプリーダー。野麦キャンプの卒業生たちの毎回成長行く姿は頼もしい限りです。今回もいっぱい助けてもらいました。
最後に野生動物の特別講師梶さん(梶浦敬一先生)。お忙しい中、子どもたちのためにフルに参加してしていただきました。羽子板づくり(火の木の廃材の板とムクロジの実とカモの羽根で作った羽根)では素晴らしいネイチャークラフトを用意してくれました。そして、自動センサーカメラで撮った、撮れたてのモモンガの写真をみせてくれました。さらにイグルーづくりの指導までも。梶さんの本物の自然体験、自然観察に対する姿勢から大きなパワーをいただきました。
ひょっとしたら「野麦の自然」は<絶滅危惧種>かもしれません。その貴重な自然の中で独占的に遊ばしてもらっていることはとてもぜいたくなことです。でも、私たちの自然体験が成り立っているのは自然だけではなく、集落の人々、直接にはお世話いただいている奥原さん夫妻、そして活動拠点の野麦学舎あってのことです。野麦で遊ばせて(学ばせて)もらっている私たちとしては野麦の集落がずっと続いていくためにも、素晴らしい自然体験活動の場としての野麦を広く知ってもらう責務を感じています。そのことが野麦の恩返しにもなる考えます。
また、野麦に集いましょう。(良さんこと高屋)
2012.3.26-31