今年も天候が不順でした。秋になっても気温が下がらず、3週間ほどの季節の遅れが続いているようです。奥美濃のスキー場でも積雪がほぼゼロですが、果たしてネイチャースキーはできるのでしょうか。石徹白に向かって白鳥町を北上していきますが、前方に雪雲が見えてきてもほとんど降雪なし。カルヴィラいとしろに着いても駐車場がうっすら白くなる程度。近くに滑れるような天然雪はなく、車で大杉登山口の駐車場に向かいます。豪雪の3年前を除いてこのところネーチャースキーで大杉を目指すだけの雪がなく悲しい思いをしています。大杉が近づいてやっと積雪がまともになっていましたが、駐車場から大杉に登る階段は雪に埋もれておらず、簡単に大杉までたどることができました。苦労した過去2回の登りのラッセルやクロカンスキーでの上り下りがうそのようです。その分大杉に出会えた感動は薄くなるのはやむをえません。(物事は結果ではなく過程に意味があるということです。)それでも冬の石徹白大杉との出会いは初めての人には大きな印象となったと思います。降雪が続いたのでこの日の<ムササビ観察>明日に回しました。
 夜のプログラムは<ナイトウォーク>。アルミホイルとろうそくでキャンドルトーチを作り、その灯だけで裏の森の中に入っていきます。ろうそくの灯に照しだされた夜の森りは幻想的でとても美しいですが、小5の男子は怖いと言っていました。雪は降り続き明日が期待できます。
 夜明け前に除雪車の音が鳴り響き、朝になると10cmほどの積雪が駐車場から掻き出されていました。積雪としてはもう少し欲しかったところですが、ぜいたくは言っておられません。風もなく青空が広がり絶好のスノーハイク日和になりました。石徹白川を渡って和田山林道の入り口に着くとクロカンの板で歩ける分の雪は積もっていました。(ただし表面が白くなっているだけで、その下に石が隠れている状態であることが後でわかります。)少し登った枝林道は、雪がたまっていて登って滑ることができました。しかし、ここも2、3本滑るうちに石が出てきて上を目指すことになります。水の流れで溶けた個所は残った雪を縫って進みます。ヤドリギが目立つ広場で休憩します。ゆっくり休むのには気持のいいところですが、ストックを突き刺して立てるほどの積雪はありません。そこから下っている枝林道は雪が十分なら滑って遊ぶところですが、いまは雪の上にススキが飛び出しています。それでも高3のリーダーと中2兄弟はこのコースに果敢に挑戦。うまく滑っていましたが、あくまでもチャレンジ。さらに上を目指します。ひたすら林道の登りが続くのでリーダーをふくめて参加者全員先頭を交代しながら登っていきます。積雪の多い登りの先頭はきついものですが、ラッセルというほどのものがないので、むしろ気持ちのいいものです。途中サルの群れが通った跡があり、はっきりした足跡と糞が見られました。前のほうの子どもサルの姿を見ることができました。杉の植林に入ったところで休憩。和田山牧場跡まではまだ長いので、ここで昼食を取り引き返すことにしました。下りは気持ちよく滑って、と行きたいところですが、滑り始めると頻繁に隠れ石引っかかって転びそうになります。転んで突き指をした人もいましたが、何とか下まで降りてきました。スキー板をつけたままで登ってきたコースもした3分の1ほどは板を担いで歩くことになりました。残念なことですが、よく林道を滑ることができたともいえます。
 ネイチャースキーが早く終わってしまったので、森や雑木林を散歩して過ごします。中居神社の境内に暗くなるのを待ちます。ブルーシートを敷いて寝転がり、杉の巨木に囲まれた狭い空を見上げます。さらに星が瞬き始めたころ、黒い影が空を横切りました。1回でしたが全員ムササビの滑空を見ることができました。残念だったの照明用のライトの光が弱かったこと(そのほうがムササビには優しいのですが)。今度は飛ぶ瞬間からしっかり見てみたいものです。
 3日目は午前中のみの活動です。滑り足らないというので(滑りたい人)板をもって裏の森に入ったのですが、滑りまくるほどの雪はなく、結局雪遊びに。展望台まで往復して最後はお決まりの雪合戦に。気温が低くくサラサラの雪でしたが、熱くなって体から湯気が出るほど遊びました。
 今回は積雪の条件が悪く、ネイチャースキーとしてはいっぱいっぱいでしたが、高校生リーダーを含め経験と体力のある子ばかりで余裕をもって雪の自然体験の活動をすることができました。小3の男子はまだ体力が弱く弱音を吐くこともありましたが、諦めずに最後まで頑張りました。宿泊施設のカルヴィラしとしろには今回もお世話になりました。何よりも今回ネイチャスキーの機会を与えてくれた自然(山の神様)に感謝。また春休みになったらみんなで雪遊びに来ましょう!

 12/27  
白鳥に入っても雪なし
行く手に虹が!
雪は降るのか 
滑るに足る雪はなし
車で大杉登山口まで入る 
雪の大杉(雪が多すぎならいいけど少なすぎ)  でも雪合戦をやるには十分な雪  降雪の中恒例のキャンドトーチのナイトウォーク 
 12/28  
林道入口まで来るとなんとかあ
クロカンスキーが使えるだけの雪が 
雪の林道を上っていく  枝林道に入る  新雪を滑り降りる  日当たりのいいところは雪がついていない 
 
ヤドリギ広場で休憩 
ここはココアの出番
 林道をさらに登る 先頭を変わりながら上っていく  猿の群れが通った痕
足跡と糞が 
どんどん溶けていく雪道をすげってもとってきた 
 
12/29  裏の森で笹をとる  前日に仕掛けた エサにタヌキが寄ってきていた  雪があるので雑木林の藪の中にも入れる 中居神社でムササビ観察ムササビ観察 
暗くなると満点の星に
必殺<マシュマロ焼き> 
 
裏の森滑るのにはかつかつの雪  粉雪を飛ばしてダイヤモンドダストの輝き  やっぱり雪合戦に  展望台まで上って帰ってくる  昇る太陽に照らされてゆもったゆきから湯気が
少年の体からの湯気が 


石徹白ネイチャースキー

2019.12.27-29