今シーズン最強の寒波到来。予定していた根尾東谷ネイチャースキーは大雪で入れず(NEOキャンピングパークも営業休止) 、考えていた石徹白も大変そうなので、初めての荘川高原スキー場のスキー場エリアを使わせてもらいことになりました。そんなことも考えながら今シーズン3回このスキー場で滑っています(もっぱら未圧雪バーン)。前回の能郷谷と同じ参加者で総勢5名なので、車1台で行きました。距離的には遠いのですが、高速道路を使えばアクセスも良く、しっかり除雪されていたのですんなりスキー場に入ることができました。一人で出かけていた時は平日なので、スキー客が数えるほどで大丈夫かと思えるほどででしたが、この日は祝日で狭い駐車場は満車状態でした。まず、スキー場の支配人の方に会ってスキー場エリアの人の入っていないフィールドを使わせてもらうことを了承してもらいました。
今回は 前回の能郷谷で破損した(靴底の剝がれ。想定通り)靴を家で修理したものがどの程度持つのかというとテストの意味もはいっています。ナオさんは満を持して30年ぶりにテレマークの板と靴を持ち出し、スキーの板底のキックワックス(滑り止め―前には滑る)を塗っての「ネイチャスキー」へ挑戦。Yさん親子は前回のいきなり<中級編>の能郷谷でネイチャスキーを初体験したのですが、懲りるどことらか、味を覚えて2回目の参戦。K家のお父さん(Kパパ)は今回も一人で参加。マイ板、マイ靴でやる気満々です。
まずはゲレンデ下の練習バーンへ。緩やかな傾斜でどうってことのないところですが、いきなりナオさんさんがこけてしまいました。続いて小山(練習用?)の登り(階段登高またはらせん状に斜め登り)と頂上からの滑走。慣れた皆さんには簡単なところですが、ここでもナオさんは苦戦。聞くとキックワックス部分に新雪がくっついてしまいどうにもならないとのこと。いったん車に戻り、板裏の調整することになりました。結論はキックワックスの塗りすぎということで、この後もしばらく苦労することになります。再び練習バーンへ。そこからクロスカントリー用のトラック(圧雪車がコースを作っている)に入ります。立派なコースなのでちゃんとした「歩く(歩き滑らす)スキー」の練習をやります(まともなクロカンスキーの講習は初めてです)。やってみると「歩くスキー」も奥深いものがあり、簡単ではありません。それでもレ指導するとすると、Yママちゃんと板に乗って滑らすことができるようになりました(スジがいい!)。圧雪コースでは「ネイチャスキー」にならないのでコースを外れ、小山の登ります。そして滑ります。雪質はいいのですが、深くて傾斜も緩いので、思うようには滑っていきません。車に戻ります。
ここからが「ネイチャスキー」。 お弁当をリュックサックに入れで出かけます。子どもたちが登って遊んでいる駐車場の雪の壁を板をつけて階段登高で登り、上の段に出ます。前方に開けた雪の斜面が広がります。緩やかな斜面をまっすぐ登り、最後は林に入って雪の広場(林道の終点?)へ。ここをランチスポットとします。いつもはスコップを持参して雪を掘って雪のテーブルを作るところですが、今回はスキー場エリアの一角なので、足で踏んで掘りこみます。テーブルの形の設計を任された小3のH君。ストックで測り、作ったのは長方形(その発想があったのか)。日が差してきて、風も無く気持ちのいいランチタイムになりました。作った雪のちテーブルを壊して、お待ちかねの滑降タイム。急斜面(クロカンスキーにとっては)、深雪(クロカンスキーにとっては)、そして申し分ない粉雪(パウダースノー)。まず、私(良さん)が見本を。直滑降で滑るだけですが、これが気持ちいい。元テレマーカーのナオさんを除く3人の参加者の皆さんは初めて体験する斜面に気おされて腰が引け転倒。でも転んでも楽しいのが「ネイチャスキー」。H君は登っては滑るのチャレンジを繰り返していました。
午後はリフト使っての未圧雪バーン滑降のチャレンジ。クロカンの板でゲレンデ滑降。苦労するのは目に見えていましたが、クロカンの板でリフトに乗り、ゲレンデを滑るのもいい体験?になるのかと思いました。まだスキー場にお金を落としていません。1回券を買いました。最初の難関はリフトの乗り降り。普通の靴と板でも初めてはは怖いのにクロカンでは?H君の板は私がもって、お母さんといっしょに乗ってもらうことにしました。リフトから降りるときお母さんが転んでしまいました(これが普通です)。そしていよいよゲレンデ滑走です。(クロカンにとっては)雪が固く、歯(エッジ)が立たず、曲がりも止まりもできずの大苦戦。結局、Yママ途中で板を脱ぎました(潔い決断です)。H君、転びながら降りてきます。Yママの板は私が抱えて滑りましたが、途中から復帰して再チャレンジ。何とか全員未圧雪ゾーンにたどり着きました。ここまで来たらサクセス…、と行きたいところですが、日当りのいいバーンで、雪質も重くなっており、スノーボードのシュプールも入っていて、簡単ではありません。斜滑降も入れながら、苦労して中段まで下りてきました。ここからが「本日のハイライト」
下見で目をつけておいたまっさらな雪の斜面。皆さん、思い思いのラインで直滑降で滑ってきます。H君も斜めに逃げながらも転ばず止まらず下りてきました。全員エヌイエスネットの「ネイチャスキー」史上最長不倒。自分の残したシュプール?を振り返りながら満足感と達成感に浸るのでした。
クロスカントリーのトラックまで滑り降りて、本来は戻るところでしたが、帰り道っラックを一周する途中右手きれいなオープンバーン(開けた斜面)が見えてきました。「もう一滑りしますか?」と聞いたところ、予想通り「いきます」。本当の最後の一本を滑り、気持ちよくしめることができました。駐車場につたときにはリフト終了の音楽が流れていました。
冬のレジャーの広がりの中で、スキー場がいっぱいでき、リフトに乗って上がり、整備されたバーンを安全に楽して滑りのが当たり前になりました。そして人々は自分の足で登って滑るということを忘れました。今回は大雪の脅威から逃れ、安全なスキー場エリアを利用させてもらいました。そういう意味では「半分ネイチャースキー」ともいえます。とはいえ、人の入っていない雪の斜面を自分の足で登って自分の足で滑り降りてくるというネイチャースキーの基本に変わりはありません。その中で困難な状況(難しい雪の中での登りと滑り)であきらめずトライし続けた小3のH君(クロカンの板をはいてわずか2回目!)、
素直な気持ちで歩く(歩き滑る)スキーを楽しむYママ(小学校ゲレンデスキーの以来)の親子はスペシャルな存在と言えます。立て続けの3回目の一人参加(子どもたちは忙しい)のKパパ。その果敢なチャレンジの姿勢には頭が下がります(ただ危険個所への突入には気を付けてくださいね)。そしてスタッフのナオさん、初期のテレマークの板に競技用のクロスカントリーの板に使われるキックワックスを塗るという試み(その発想はなかったなあ)。さすが常に新しい分野を切り開くテレマーカー(そしてカヌーイスト)。大いに刺激を受けました。最後に荘川高原スキー場にはお世話になりました。どんどん管理体制が厳しくなっていくスキー場の中で心広く受け入れていただいてありがとうございました。願わくばもっと「歩くスキー」(クロスカントリースキー)が見直されますように。
親と子のネイチャースキー
in 荘川高原スキー場
2025.2.11