今年の夏の野麦キャンプはいつもと違いました。
毎年夏休み入りすぐの7月に実施していたのが、募集しても全然集まらず、結局昨年たくさんの参加者を送り込んでくれた岡崎グループの要望に沿って期日を盆過ぎに変更、日程も5日間に短縮して何とか実施にこぎつけました。それにしても「夏休み」なのに最近の小中学生はずいぶん忙しいようです。(これでいいのかなー?)
「梅雨明け1週間」といって平年なら7月下旬は天候が安定して、夏山登山にはもっとも適した季節になるのですが、今年はその時期天候が不安定で涼しい気候になってしまいました。その反動か8月に入って異常な高温が続きました。今年のキャンプはどうなるのでしょう。
灼熱の名古屋、岐阜から逃れて、別天地野麦に到着、と言いたいところですが、どうも涼しくない。それでも野麦の自然はいつもと同じように(少し変わったところもありましたが)一行を迎えてくれました。もちろん、奥原さん夫妻も。
初日は定番の集落内の散歩。夜と昼、村の中を回ってみて気づいたこと。いつもと違って、@明らかに虫が少ない(特に街路灯に集まってくる虫が)。それで期間中蚊取り線香をつけるのを忘れてしまってれていました(蚊が少ない!)。A子ども体のお目当てのクワガタが極端に少なかった(結局捕まえたのは全部でメス2匹だけ!)。Bある種のガが異常に多く、家の壁や街路灯にやたらと卵を産みつけていた(子どもたちは不気味がっていました)。Cそれでも、ブヨは健在で登山の間しつこくまとわりついてきました(今回のキャンプの印象で堂々のワースト1)。
2日目、すでに登山前日です。午前はかみの川へ、午後は神社の裏山に登りました。今回の発見は川でイワナのほかアマゴの幼魚が採れたこと、山でチチタケ(傷つけると乳液が出てくる。わかりやすい名前)を見つけたこと。でも子どもたちに最も印象に残ったのは、おおきなヘビ(ヤマカガシ)の水死体。みんなで突っつきまわしていました。
登山準備の日ですが、天気予報が思わしくありません。この20日間一滴の雨も降ってない(異常!)のが、ここに至って雨とは!結局、雨に降られるのも覚悟で千町の避難小屋までの登山を決行することに決めました。
そして3日目、登山の当日。雲行きが怪しいもののなんとか天気はもちそうです。この日のために仕事を休んで駆けつけてくれたH君を先頭にみんな元気に登っていきます。全員足がそろって、予定よりずいぶん早く避難小屋に到着しました。標高2350m、すでに雲の上です。乗鞍岳頂上は雲の中。時々雲(霧)が流れ込んできます。不安定な天候ですが、元気な子供は湿原(雨不足でほどんどの池塘が干上がっている)の中を駆け回って遊んででいます。
時々雲(霧)に包まれる夜。夜明け前に小屋の外に出てみると頂上は雲に覆われているものの霧は晴れれている。早速、全員雨具をつけて出発します。樹林帯を抜けると視界が広がり(といっても上には黒い雲が立ち込めていますが)ついに目標のハイマツ帯の露岩にたどり着きました。参加者全員初めての「雲上体験」の感動でした。
下山した後は、最後の夜の<キャンプファイヤー> 小人数がで出し物は少なかったのですが、グループごとに工夫を凝らし、楽しいものになりました。最後は<星空観察>、<マシュマロ焼き>となごりを惜しみました。
今回のキャンプは日程的にもスタッフ的にもいっぱいいっぱいのの厳しいものでした。それでも、メインの乗鞍登山の目標達成しを何とかまとまった形で楽しく終えることができました。これも、天候に恵まれ、元気な参加者が集まったおかげです。
私たちエヌエスネットの自然体験で最も大切にしているのは<遊び>です。今回はいろいろな面で余裕がなく「遊ぶ」のには厳しい条件でした。次回に向けあらためて、速い段階での企画、スタッフの確保、広報といった準備をしっかり行っていく必要があるというのが今回の反省点です。
みんなで「野麦キャンプの灯」を燃やし続けましょう!
野麦の生き物、フィールドサイン |
2013 夏 の 野 麦 子 ど も 自 然 体 験 村
2013.8.19-.23